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タマ (称号) タマ(多模、玉、魂、霊、多麻)は、3世紀から6世紀ごろの古代日本において、宗教的・呪術的な有力人物に付けられた名称のひとつで、ヤマト政権以前の称号(原始的カバネ)として使われた〔太田亮『日本上代における社会組織の研究』1921年 379頁〕。後に氏族の祖先名や神名に多く用いられるようになる。 ==概説== 3世紀から6世紀ごろの古代日本の宗教的あるいは政治的な首長の称号としては、「タマ」の他に、「ネ」、「ミミ」および「「ミ」、「トベ」、「モリ」、「ヒコ」、「ヒメ」などが知られている。こうした他の古代日本の首長の称号と違い、タマは地名に付くことがまれである。タマ(玉)は水晶や碧玉などの宝石類にとりつく「霊力の観念」〔溝口睦子、「記紀神話解釈の一つのこころみ」『文学』1973年、490頁〕であり、それを操る呪術者の称号と考えられている。宝石類が今日女性に好まれているのと同様、古代において呪術的道具としてタマ(玉)を扱うのは男性よりも女性に多く見られる。 タマと呼ばれる長が国を治めるのは、玉を用いた呪術的カリスマ〔マックス・ウェーバー『支配の社会学』〕による。 クシダマ(櫛玉命)とも呼ばれているニギハヤヒ(邇藝速日)が大和の国を治めたのは十種神宝と呼ばれる呪器(呪術的道具)によってであり、そのうち4つはタマの呪器〔『先代旧事本紀』は4種類のタマとして生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、および道返玉(ちかへしのたま)を伝えている。〕によるものであった。
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